妖魔03(R)〜星霜〜

「話はそれだけか?」

「大体の話は済ませた。ところで、近々、紛争を勃発させようとしているようだね?」

只者ではないのは知っていたが、情報が出回るのが早すぎないか。

気を緩ませず、ナイフを作り出す。

「そんなに気を張らなくても良い。紛争でどちらにも加担するつもりはない」

「何故聞いた?」

「廃墟にいる人間は金や権力、争いにしか興味がないので話がつまらないのだよ」

まだ気を緩めてはならない。

「ニ、三聞く」

「何かね?」

「新たなる世界とは、何だ?」

「興味があるかね?」

多聞は背中を見せて、数歩歩く。

攻撃を仕掛けるにも隙がない。

「今の実験では、人間に妖魔のコアと意志を入れ込む事は完成しているのだよ」

私のような、半人半妖の事ではないのか。

「幾多もの実験を繰り返し、高い確率で成功する事が出来るようになっている。だが、半妖に妖魔のコアと意志を入れ込む事は一度も実験していない」

「そこで、私という事か」

「ああ、君が協力的であるならば、実験させていただこうと思ったのだがね」

「成功するのか?」

「応用すればいい。だが、確実ではない」

「だとすれば、信用は出来ない」

強くなる事は必要だ。

だが、時間のない時に、失敗は許されないのだ。

それに、今日始めてあった少年に身体を託せるわけがない。

少年が多聞であるという事も、信じたわけでもない。