妖魔03(R)〜星霜〜

火花は散らない。

何かが破裂したような音を立てる事もなく、静かな空の音が響く。

意識も当然の事ながら、ある。

「はあ、はあ、はあ、はあ」

呼吸が乱れている。

精神が、磨り減ったような感覚に襲われている。

大量の汗が、私の額から流れた。

「ギャハハハ!お前、運いいな!」

増長は満身創痍の私から銃を奪い取り、自分のコメカミへと近づけた。

「はあ、はあ、死なれては、困るのだが」

「俺様は運が悪かろうが良かろうが、どっちでもいいんだよ」

頭が真っ白になっているせいか、意味がよく理解出来ていない。

増長は恐怖を表す事無く、一気に引き金を引く。

増長の脳漿を見る事はなかった。

私と同じく、軽い音だけが辺りに響いた。

また、ハズレだ。

「ギャハハハハ!チャンスは残り一回だぜえ?」

ここまでくれば、私に助かる術はない。

都合よく、私が助かるか?

いや、確実に死ぬ。

「ギャハハハ!俯いてどうしたよ?命乞いでもしたいのか?」

「はあ、はあ」

「いいぜえ、俺様は優しいからなあ。その代わり、今度、穴を開けられるのはお前のケツだろうよ!」

卑下た言葉を使い、私を見下す。

生か死か。

どっちをとっても、生なる道などどこにもない。

私は、目の前にある拳銃を手に取った。