妖魔03(R)〜星霜〜

増長にどこまでの力があるのか。

私を人間ではないと気付いた増長も、人間ではないのかもしれない。

「しかし、俺様に会いに来るって事は、誰かをぶっ殺して欲しいのか?」

すでに、勘付かれているのか。

「ああ」

「ぎゃはは!いいねえ!ガキのくせして、エゲつねえ!」

増長の笑い方は、癇に障る不愉快な物だ。

だが、堪えるしかない。

「で、誰よ?」

増長が前のめりになりながら、顔を近づけて聞いてくる。

「持国だ」

「ほう」

目つきが変わった。

「お前、持国を殺すってえのがどれくらいの事か、解って言ってるんか?」

「解っている」

私は増長の瞳を睨み返した。

「そうかそうか。そりゃ面白え」

「受けてくれるのか?」

「まあ、最後まで話を聞けや」

どこから仕入れたのかは解らないが、葉巻を取り出して吸い始めた。

「さっきも言ったけどよ、強い奴ほど殺し合いは面白え。だが、紛争となりゃ話は別だ」

「紛争、か」

「相手は持国一人じゃねえんだよ。その部下もいるんだぜ?」

「それなら尚更、依頼を願いたい」

増長は葉巻を灰皿に押し付けて捻り消した。

「ギャハハハ!いいぜえ!お前のようなノリのいい奴はな!」

机の中を漁り始めた増長の取り出した物。

「紛争をやるにゃリスクが付き物だ。金じゃリスクは賄えねえ」

それは拳銃だった。