妖魔03(R)〜星霜〜

最上階に登り、増長の元に辿り着く。

持ち物検査をされる事なく、私は増長の部屋に入る。

そこには、前にある大きな机の上に両足を乗せて座っている男がいる。

「ギャハハ!俺様に用があるってえのは、お前かよ」

下品な笑い声を上げながら、机から足を退ける。

「ああ」

背丈は2メートルはあるだろう。

スキンヘッドで虎のような目つき、ミリタリージャケットに迷彩ズボンを穿いている。

そして、筋肉に包まれているといってもいい。

「お前みたいなのが下の奴らを納得させるってえのは、何かとブツが必要だったろうよ」

「ブツを見つけたのは、運が良かっただけだ」

増長の私を見る目を見れば、明らかに信じていない。

「おい、ちっと席を外せや」

増長は、刺青の男を部屋の外へと追いやった。

「お前、人間じゃあねえな」

「何?」

気付かれた。

「匂うんだよ。美味そうな匂いが、お前の身体からなあ」

やはり、危険な男だったか。

戦闘に長けているという事は、戦闘を繰り返し、経験を積んでいたという事にもなる。

「ギャハハハ!ビビってんじゃねえよ!」

私の肩を叩きながらも、笑いを高らかに上げる。

「俺様はなあ、殺しは好きでも、人を食う趣味はねえ」

命の重みを一ミリとも感じない発言だ。

「特に強い奴を殺すのはたまらねえ。あれほど、面白いもんはねえ」

この男なら、本当にやるかもしれない。

だが、それ以上に危険もある。

「ギャハハ!心配すんな!俺様はお前のような奴は成長してから殺すタイプだからよ!」