妖魔03(R)〜星霜〜

「人間の身なりをした化け物アル」

「あなたもそうなのか?」

「そうアル」

リンゴが相当好きなのか、再びかじり始める。

「もしゃもしゃ、化け物でも人との熱帯夜を送る事が出来るアル。ま、お前はその性質アルよ」

「私が、人間と化け物の子供」

どちらも、普通の人間にしか見えなかった。

血の繋がった他人のどちらかが化け物。

だからといって、何がどう変わるわけでもない。

私をこの世界に売り払った事に対しての評価は永遠に一定のままだ。

しかし、この世界においては、半化け物であったほうが何かと便利ではある。

「あなたには感謝をしている反面、今だに許せない部分もある」

「根に持ちすぎるとハゲるアル」

「しかし、それは自分の甘さが招いた結果だと、解った」

私は立ち上がり、自分の腕が動くかどうかを確かめる。

「問題はない」

「結局、お前のテントの中身を見ることはなかったアルな」

「もう、会う事がない事を願う」

「世の中、ゴムに穴が開けられていたりと、何が起こるか分からないアル」

二度と、失敗するわけにはいかない。

広目を部屋に置いて、私は黒いスーツのままビルを出る。

その間、風間に会う事はなかった。

荒れ果てた世界をビルに向って歩く。

持国のビルではない。

私が向った先は、戦闘に長けていると噂の増長の元だ。

「ここか」

やはり、外見は変わらない。

ただ、肌には只ならぬ物が伝わってくる。