妖魔03(R)〜星霜〜

「赤城」

目の前には、風間の顔が在りました。

私がいる場所は、ビルの前です。

私はどうしたのでしょうか?

男に闇の中に連れ込まれ、そこから記憶がありません。

「私は、ぐう!」

片腕、指三本に激痛が走ります。

「これは、今すぐミス広目に話をつけよう」

「彼女に、会うつもりはありません」

「その傷では長くは持たない。私が見つけたのは、お前は神に見捨てられてはいないと言う事だ」

風間の一言で、壊れた私が這い上がる。

「神などいない!そんなもの、どこにもいないんだ!」

振り絞る声。

私には、私である部分がまだ残っていた。

吹っ飛んだはずの意識が、『神』という一言で戻ってきた。

「私が助けてくれと頼んでも誰も助けに来なかった」

涙がこぼれてくる。

「非力なのは私の責任、助かりたいから奴を殺したのも私」

思い込みを捨てきらなければ、死ぬ。

「信仰心を人に押し付けないでもらいたい。私は、そんな紛い物を信じる事はない」

だが、風間の言うとおり限界に近く、一歩も歩けはしなかった。

「では、神を信じる私ではなく、赤城学を助けようと思う私が助けよう」

風間が私を持ち上げる。

「離せ。私は、誰の世話になるつもりはない」

思い込みにより、私は死ぬような思いをした。

「助かりたかったという気持ちがあるのなら、尚更、私はお前のために動こう」