妖魔03(R)〜星霜〜

「冷静に、なりましょう」

腕の痛みに我慢しながら、廊下を歩きます。

今の状態で、持国やマヤに会いに行くのは危険でしょう。

「はあ、はあ」

私は人を殺しました。

仕方がなかったんです。

私は死にたくありませんでした。

この世界で生き残るのならば、誰かを殺す事しかないのかもしれません。

「嫌な、肩書きがついてしまいましたね」

痛みが全てを覆います。

「早く、外に出ましょう」

誰かに会えば、戦闘は免れません。

もう、限界が近いんですよね。

階段を一歩一歩確実に下りながらも、足の力が抜けて座り込んでしまいます。

「力が、入りません」

涙が、溢れてきます。

「抜け出せたのに」

助からないのでしょうか?

人まで殺したのに?

階下から人が登ってくる足音が聞こえてきます。

敵だと判断したほうがいいでしょう。

先ほどの状況からして、誰かが助けに来るという物を期待してはなりません。

立ち上がろうとしたところで、階下より来た物が姿を見せました。

「彼は、期待できそうね」

「ああ」

男と女の二人でした。