妖魔03(R)〜星霜〜

「んん」

「何を言おうとも助からないと言って」

男が顔を上げた瞬間、私は目に針を吹き付けます。

私が攻撃をするとは思っていなかったのでしょう。

見事に目に針が刺さり、男が後退りをして台を転ばせながら倒れます。

「いでええ!いでええよ!何だよ、何で針なんか、持ってるんだよ!」

男が、ドリルを持って立ち上がります。

「殺してやる」

「ええ、いいですよ。その変わり、あなたも針に仕込んだ毒で死にますがね」

「何?」

男が動きを止めます。

「毒を取り除くワクチンの造り方は私しか知りません」

男は戸惑い始め、武器を落としました。

「まあ、私を殺せばいいんじゃないですか?そこであなたも終わりですからね」

私にも余裕はありません。

何せ、腕の骨が折れて、何時間も経っているのですからね。

「後、30分程度の命じゃないですかねえ。あなたが毒で死ぬのは」

自分の立場を理解し、震え始めます。

「あなたは人を殺すくらいだから、自分の死ぬ覚悟ぐらいは出来てますよね」

私はもちろん、死にたくありません。

男の反応によって、私の命は決まります。

男は私の言葉を理解できます。

男は人の痛みを屁とも思っていません。

男は自分の痛みに対しては、物凄く臆病であると判断します。

今の様子からすれば、それくらいじゃないでしょうか。

「いいですか?時間が過ぎてますよ?」