妖魔03(R)〜星霜〜

体内を、『何か』が巡る。

血ではない『何か』を、全身に感じる。

その時、何かが吹っ飛んだ。

「ふふ」

男が三本目の指にペンチをかけたところでありました。

「私が死ぬ前に、あなたを殺しましょうか」

何故かは解らないほどに、すがすがしい気分になっていました。

男は冗談だと思っているのでしょうか。

三本目を捻り折ります。

「ぎゃあああああ!」

相変わらず、涙が出るほどの痛みが走ります。

しかし、死がどれほど迫っていようとも、目の前の男を殺す事が出来ると確信しました。

「面白い事を言うけど、遊びは終わらないよ」

「ふふ、私も、あなたで遊びたいですね」

私は、何かが飛んだ瞬間に、内に存在した力を知りました。

涙で霞みながらも、視線を台の上に移します。

針、メス、ドリルなどの凶器が並んでいます。

武器があれば、目の前の男を殺せますね。

今使えるのは口だけです。

口の中で作れる物、針がありますね。

針の組織、形を頭の中で形成します。

そして、体の中にある『何か』を口の中に集中して注ぎます。

口の中に異物を感じます。

針を、生成する事が出来たのでしょう。