妖魔03(R)〜星霜〜

部屋の外から、廊下を刻む足の音が聞こえてくる。

足は私の部屋の前で止まった。

持国の部下か、持国か。

扉を開けると、台を運ぶ黒ずくめの持国の部下が入ってくる。

「さてさて、今日はどんな玩具かと思ったら、子供かあ」

台にはメスやらペンチやら、拷問道具が乗っていた。

「遊べるなら、何だっていいか」

目の前の男には、恐怖しか感じる物がなかった。

「私は、死ぬのか?」

「死ぬね。ものすごーく痛くて痛くて、泣いても死ぬよね」

ペンチを取り上げる。

「止めて、くれ」

「こんな面白い事、止めるわけないじゃないか」

ペンチで指を掴み、捻ろうとする。

「頼む、私は」

「聞かない」

一気に、捻る。

指から、痛みが全身を疾走した。

「ぎゃあああああああ!」

枯れたはずの喉から、絶叫した声が溢れる。

「ああ、ああ」

何よりも、痛い。

「さあて、もう一本」

次の痛みに耐えられるかどうか、解らない。

「いい声、出してくれよ」

黒く塗りつぶされた絶望が、私を覆っている。