妖魔03(R)〜星霜〜

マヤを導くように手を繋ぎながら、階段を降りていく。

マヤはオルゴールを見つめながら歩いているため、何度もこけそうになる。

その度に支えながらも、降りていく。

途中、猛者が私達を睨んだが、手を出してはこなかった。

広目に手当てされたとだけあって、客人として扱われているのか。

一階に辿り着き、ビルの外へと足を踏み出した。

相変わらず、空気が重くて、潰されそうだ。

人間が住んで良い場所ではない。

「見つからないといいが」

持国のビルまでは多少の距離が在る。

走ると、マヤの傷に響いてしまう。

裏道を通ってでも、進むべきなのかもしれない。

しばらく歩いて裏道へ移動しようとすると、いかにも悪という大男と子分らしき男達が四人、周りを囲む。

「いい物、持ってるじゃねえか」

「ここ数年、手しか使ってねえんだわ」

「寄越せよ」

マヤに手を伸ばす男達。

マヤは命を削ってでも、大切な物を取りに来た。

彼女を傷つけた罪の意識はある。

しかし、それよりも、大切な物を守るという行為が私の中で大きくなった。

マヤは、親の元へ連れて帰らなければならない。

「お前達は、持国の娘に手を出すのか」

力でやれば、勝ち目はない。

情けなくても、持国という名前を出せば引くのではないかと考えた。

「多聞の部下の俺たちゃ、持国なんか関係ねえ」

男に力強く頬を殴り飛ばされる。

地面に這いつくばされ、子分達の蹴りが襲い掛かってくる。