マヤがいる部屋の扉の前に立つ。
扉は木製で出来ており、白く塗装されていた。
ノブに手をかける前に、音色が耳に届く。
マヤがオルゴールを聴いている。
マヤにとって、命を削って手に入れた大切な物だ。
私にとって、オルゴールの価値も音色の意味も、解らない。
それ以前に、自分の中で一番大切にしたいという物が見つからない。
いや、違う。
今は在る。
だが、私にとって、大きすぎる存在だ。
広目の部下の一撃で沈むような弱い人間が、大きすぎる物を抱えられるわけがない。
一時の感情によって動く事で、多大な損失を生み出す。
「マヤ」
名前を呼んで、部屋の中に入る。
マヤは私がいた部屋のベッドよりも綺麗なベッドの上で座っていた。
オルゴールを耳に寄せて、目を閉じて聞いている。
オルゴールと共に過ごしてきた日々を思い出しているのか。
私はマヤに近寄っていく。
気付いたマヤはオルゴールを閉じて、先日と同じような瞳で私を見る。
笑うわけでもなく、怖がるわけでもない。
ただ、私を見つめていた。
「君の家へ帰ろう」
口を利けない彼女は一度だけ頷いた。
親の元に帰りたいのは、子供として当然の話だ。
都合の良い事なんて、何一つない。
扉は木製で出来ており、白く塗装されていた。
ノブに手をかける前に、音色が耳に届く。
マヤがオルゴールを聴いている。
マヤにとって、命を削って手に入れた大切な物だ。
私にとって、オルゴールの価値も音色の意味も、解らない。
それ以前に、自分の中で一番大切にしたいという物が見つからない。
いや、違う。
今は在る。
だが、私にとって、大きすぎる存在だ。
広目の部下の一撃で沈むような弱い人間が、大きすぎる物を抱えられるわけがない。
一時の感情によって動く事で、多大な損失を生み出す。
「マヤ」
名前を呼んで、部屋の中に入る。
マヤは私がいた部屋のベッドよりも綺麗なベッドの上で座っていた。
オルゴールを耳に寄せて、目を閉じて聞いている。
オルゴールと共に過ごしてきた日々を思い出しているのか。
私はマヤに近寄っていく。
気付いたマヤはオルゴールを閉じて、先日と同じような瞳で私を見る。
笑うわけでもなく、怖がるわけでもない。
ただ、私を見つめていた。
「君の家へ帰ろう」
口を利けない彼女は一度だけ頷いた。
親の元に帰りたいのは、子供として当然の話だ。
都合の良い事なんて、何一つない。

