「死地に何を求める?」

「生きる喜びですね」

一度しか味わう事の出来ない世界です。

だからこそ、私は最高の死地を求めて止まないんですよね。

「マヤと死後の世界で会えるとは限らない」

「もし、向こう側が存在するのであれば、私とマヤさんの入り口は違う場所です」

とてもとても、楽しい場所に辿り着けそうですがね。

「お前のように、苦痛に塗れた世界に自ら足を踏み込むなど正気の沙汰ではない」

「おやおや、風間さんとはいいお友達になれると思っているんですがね」

「信仰なき者と一緒の扱いにしないでもらおうか」

伴侶がすぐに見つかりそうなほど、眉をひそめて男前な顔をしています。

「献身的な姿勢は、全てが実る事間違いなしですね」

「赤城、少しでも信仰心も持て。それだけでも、世界が変わる」

風間さんは担当する教室へと入っていきました。

「残念ですね。神様という見えない存在よりも、自分自身に備わった力を推し進めたいんですよ」

私も担当する教室に入り、授業を進める事にしました。