今日は素敵な日になりそうですね。

ええ、語るまでもないのですが、私の口が勝手に開いてしまいますよ。

実は、今日は約束の日なんですよ。

死地に辿り着ける日といってもいいですかね。

どれだけの猛者達が空港へと来るのでしょうか。

楽しみで楽しみで、昨日の晩ご飯を奮発してしまいましたよ。

「パパ!」

布団の上で今日の喜びを噛締めていると、摩耶さんが布団の傍に座ります。

「おやおや、昨日のステーキラーメンのエネルギーを全身に纏わりつけていますね」

「そやで!今日はエネルギッシュや!誰にも止められへんねん!」

今日は平日です。

少女である摩耶さんは、学校に行かなければならない義務があります。

エネルギッシュなパワーを是非とも学校の先生にぶつけて欲しいところですね。

「パパ、今日はなー、秋刀魚や!焼き魚やで!」

「それは素晴らしい。カルシウムで自身の骨を活性化させなければなりませんね」

「楽しみにしててや!」

食卓の上に置いた赤いランドセルを背負い、摩耶さんは玄関で靴を履きます。

「ウチ、行くから!」

元気のいい姿勢を崩す事のない摩耶さんは、三国を統一出きる素質を持っているのかもしれませんね。

「私も行くとしますか」

野川さんは葉桜君を求めて止まないですし、待ち時間に遅れてイライラさせてはお肌を悪くさせてしまいますよ。

私はスーツに着替え、家から出ます。

待ち合わせ場所は学校だったはずですね。

誰にも会う事が無かったので寂しさを感じますが、すんなり事が進むのもたまにはいいかもしれません。

学校の校門前には野球のバットを入れるような袋に刀を入れて、凛々しい野川さんが立っています。