妖魔03(R)〜星霜〜

地下に降りると、決して広くはない通路が続いていた。

炭鉱のように数メートル進むごとに木で支えられており、周りは土で作られているようだ。

前にはティアとチェリーが歩いている。

チェリーは後ろを振り返ろうとはしない。

俺にかけられる言葉はなかった。

その時、バックステップでチェリーを咥えたティアが後方へと飛びのく。

よく見れば、チェリーの腕が少しだけ切れている。

「チェリー!」

俺がチェリーの様子を見ようとしたところで、前から誰かが歩いてくる。

姿を現したのは浮浪者のような人物だ。

ボサボサの髪、上はジャケット、下は迷彩ズボン。

浮浪者と違うのは、二刀流であるという事。

「何で、こんなところで刀を持った奴が」

「某は妖魔を狩る者!成敗いたす!」

聞き覚えのある口調だが、身体が思い出したくないと言っている。

チェリーを容赦なく傷つけた馬鹿が猪の如く真っ直ぐに進んでくる。

人間相手ならば、懐にある物で十分だ。

言葉を聞いた時点で俺は拳銃に手を伸ばしていた。

「常世の闇に堕ちて死ねえええええええええい!」

「お前がな」

距離があるところで拳銃を突きつける。

「お主!刀を持った人間に銃を向けるとは、卑劣な彼奴め!」

上段構えのままで動きを止めた。

「お前はアホか。何も持たない子供に刀を振るう奴こそ、超一級のドグサレ外道だろうが」

「子供だと?そこにいるのは単なる子供ではあるまい!」

「見てわかんねえのか!このハ外道!この子は子供だよ!どこにでもいる女の子だよ!お前らみたいな勘違いした馬鹿がいるから、滅茶苦茶になるんだろうがあああ!」

威嚇がてら、足元に一発打ち込んだ。