妖魔03(R)〜星霜〜

それ以上伝える事無く、ハゲーは去った。

「長話しちまってわりいな、行くか」

豚は自分には関係ないかのように石でお手玉をこなしていた。

チェリーはそれを真似しながら、遊んでいる。

これから大丈夫かとも思うが、守るのは俺の役目だ。

ここでは、喧嘩が通じない。

能力だって、波動を撃つぐらいだ。

相手側は格闘技をやっているし、波動よりも動作が速い拳銃を持っているのだ。

RPGのようにダメージが数字化されたとしても、雑魚的がHPを上回る攻撃をしてくる。

出来る限り、出会わない事を天に祈るしかない。

「ん?」

拳銃といえば、ハゲーは落とした拳銃を拾っていったのだろうか?

話に夢中になっていたせいか、すっかり忘れていた。

地面に目を映すと、少し離れた位置にハゲー専用の銃が落ちている。

落とさせたのはティアだが、俺の懐に入れておこう。

ハゲーが起きてからも構えていたという事は、何発か弾が残っているのだろう。

一応、セイフティをかけておく。

「ティア、チェリー」

「あ、うん」

「ブヒヒ」

チェリーとティアはお手玉をやめて、立ち上がる。

俺達は正面玄関から離れていくように森の中を歩き出す。

しばらくすると、鉄の塀に突き当たった。

さすがに登る事は出来ないようだ。

無意味な事をせずに、更に歩き続ける。

三人共、無言のままだった。

無駄口を叩いて誰かに発見されるのも問題である。

まあ、本当は、喋ると体力が減るって言うだけの話なんだがな。

休憩していたとはいえ、歩き続けるのはしんどいものなのだ。