妖魔03(R)〜星霜〜

「お前も人の考えを見透かせるのかよ」

「ボーイの顔に書いてある言葉は読み取りやすいわーん」

そんなに俺の顔は落書きだらけなのだろうか。

「それで、何で無理なんだよ?」

「まず距離、この島から他国へ向うまで体力が続くかどうか。そして食料、距離分を用意するのは困難。そしてイカダを作る技術。素人が単純に作ったイカダなんて論外。最後に途中でのアクシデント。あなた達が妖魔であっても、対処できない事はいっぱいあるわーさ」

島にいるにせよ、イカダを作るにせよ、不可能な事が多いというわけだ。

「まあ、最初の選択は決まっているぜ」

「正面突破?男らしいのねーん」

「んなわけあるか。銃口に向って走って行くほど頑丈じゃねえよ」

隣のティアも銃弾一発食らえば、致命傷になってしまう恐れがある。

「とにかく、裏口でも探していくさ」

「裏口が閉まっていたらどうするのーん?」

「俺がキーピングを使えるとでも思えるのか?」

「質問を質問で返しちゃやーよ。まあ、あっても電子扉だから、キーピングなんて技術は意味ないーの」

「だったら、やる事は一つだろ」

能力を使った後は動けなくなるが、魔力を配給してもらえば何とかなるだろう。

そこで、寿命を使わなければいいんだがな。

「ボーイ達、希望を持って頑張るーさ」

ハゲは背中を向けて立ち去ろうとする。

「お前、味方に話すのか?」

「ロック様の口はキスとチャックは人並み以上なのーよ」

しかし、俺達に情報を与えたので、あまり堅いとは思えないところだ。

「ああ、もう一つだけ情報を与えてあげるわーん」

ハゲは立ち止まり、顔を半分だけ覗かせながら言葉を発する。

「何だよ?」

「テンプルナイツ総長、ジャック・ド・モレーには気をつけーる」

「総長がうろちょろすんのかよ?」

頂上に立つ者が何の用も無く周りを徘徊する図はあまり考えられない。

「そんな考えは捨てておくーの」