妖魔03(R)〜星霜〜

「ち」

しかし、不意をつくならば、可能だったはずだ。

奴は、それをしなかった。

「俺はハニー・ロッカー様だ。覚えておきなさーい」

「断る」

「ハニー様に媚を売って助かりたいと思わないと損しちゃうわーん」

「どの道助からないんだったら、そりゃどうでもいい話だ」

ハニーは陽気な人物らしいが、敵は敵だ。

「で、その拳銃で俺らを撃ちぬくのか?」

「HA!HA!あったりまえじゃなーい!ハニー様の勘がお前たちを妖魔だと断定したからあの世に直行、トリオで天国でランデブー!WOW!WOW!」

マズイ、こいつの脳みそはイカれている。

「余裕を持ってるから後ろから撃たなかったのか?俺らがただで撃たれるとでも思ってるのか?」

「ハニー様に背後から流血を眺める趣味ないわーん。俺は真正面から打ち抜く快感を味わいた-い。OK?」

どうする。

妙な動きを見せれば、撃たれる。

このままあいつがティアと同じような馬鹿な台詞を言い続けて、停止しているとも思えない。

奴の性格はちょっと律儀で自分を過信しているアホウと言ったところだろう。

「じゃ、さよならBYEBYE。君たちに明日はなーい」

後ろから撃たない変わりに考える時間を与えない。

トリガーを引こうとした瞬間、隣のティアが飛び出した。

「銃口に突進してくるからって気は引けなーい」

俺に向けていた銃口をティアに向けて発砲。

しかし、向けた直前にティアは変鎖を解いた。

心臓を打ち抜くはずだった銃弾は、背丈が縮んだ事により当たる事はない。

「ブヒ!」

ティアの動きは豚なのにも関わらず速い。

標準を合わせる間も与えず、ハニーの懐に入り込むティア。