妖魔03(R)〜星霜〜

そういえば、チェリーの父親も探す予定だった。

あそこが港だとすれば、父親に会うことなく終わってしまう。

しかし、変な道を歩いて迷って、いきなりテンプルナイツと出くわすのも問題だ。

そうだ。

あそこが何かの施設かはわからないが、島の地図があるかもしれない。

ただ、うろつきまわるのは得策ではないんだがな。

戻ることも出来ないし進むか。

俺達は少しずつ近づいていき、建物付近の影まで辿り着く。

金網で仕切られた向こうにあり、登れないようにフェンスの上には鉄線がある。

電流でも通っているものなら、一瞬で感電死してもおかしくはないだろう。

少し視線を動かすと検問のような入り口があり、そこには軍服が立っている。

フェンスを壊して通ろうともしたが、フェンスにも細工がしてあるならば安易な行動は危険である。

「どうするか」

「お色気作戦ですう」

「お前、死にたいのか?」

この馬鹿の脳みそはどうなっているんだろうか。

「お前は妖魔だろ?もし、お前の事を調べる道具があれば即死だぞ」

「丞さんは何を言ってるんですかあ?ティアじゃなくて丞さんがやるんですよう。だって、軍人さんって穴を求めて、ボキャ!」

人中突きで撃沈させ、もう一度考え直す。

「うーん」

裏口などがあればいいんだけどな。

「お兄ちゃん、誰か来る」

「何?」

確かに、チェリーの言うとおり、近くで草の音が聞こえる。

「逃げるぞ」

俺達が動こうとしたところで、大きな音を立てて人が現れる。

「気付くのがおそーい。ここまで来て、ハニー様から逃れられると思ってるのかーい?」

軍服を着ているハゲで拳銃を手にしている。