妖魔03(R)〜星霜〜

「お前らに一つ聞いておきたいんだが、これからどうするつもりだ?」

「ティアはティアは、どうしようもない丞さんについて行くです」

ティアの場合は成人してるし、何を考えているのか解らないので自決させる。

「一言余計だっつうんだよ。それで、チェリーは」

チェリーには聞く事自体がおかしかった。

「一緒に来い。ここは危険だ」

「うん」

元気がないながらにも、素直に頷いた。

自分の故郷を失くしてしまったから、どうしようもなくなったんだよな。

幼きチェリーの場合は誰かが導くしかない。

「とりあえず、お前が一息できる場所まで連れて行く」

「うん」

本当は混乱してるし、泣きたいはずだろう。

一夜で親や友人までなくしちまったんだ。

でも、下手に大丈夫などという言葉はかけられなかった。

俺が出来るのは、安心して大きく泣ける場所に連れて行く事だけだ。

「じゃあ、行くか」

港がどっちにあるか、聞いてなかった。

ボンミス。

でも、洞窟の方へは歩けない。

すでに占拠されてる可能性があるからだ。

まだ日が経っていないというところを考えると、逆方向に進んだ方がいいんではないだろうか?

妖魔の村に全員をつぎ込んでいるわけはないだろうけど、調べる事は多いから手薄になっているはずだ。

俺達は一度小屋の方向に戻り、ティアに獣道の方向を聞いて進んだ。

馬鹿な事を言ってはいるが導いた先は正確で、時間が経つ事なく辿り着いた。

しかし、獣道に出る事無く、姿を隠しながら進む。

獣道の真ん中を歩くなんて、蜂の巣にしてくださいと言っているようなものだからな。

ティアはともかく、チェリーは妖魔とはいえ子供だ。

限界に辿り着くのは早いだろうし、辛いかもしれない。

でも、ここは少しだけ我慢してもらうしかない。