妖魔03(R)〜星霜〜

朝、俺は水溜りで顔を洗っている。

俺が起きた時にはお吟さんはいなくなっていた。

「ふう」

体力を使ったというのに、傷口が閉じている。

まさか、お吟さんと交わったから、傷口が閉じたとでもいうのか?

まあ、だからといって、無理は禁物だな。

「お兄ちゃん」

後ろから、チェリーとティアが現れる。

「あ、役立たずなお兄ちゃんですう」

「お前は二万年前にまでタイムスリップしろ」

「何を言ってるんですかあ?本当、丞さんの頭の細胞は二万年前の恐竜そのもの、グペシャ!」

久々にティアにアッパーをかましたような気がする。

「全く、人間の姿に戻ったら相変わらずだな」

「お兄ちゃん、あのお姉ちゃんは?」

「旅立ったよ。多分、どこかで気楽にやってると思う。それより」

俺はティアに向き直る。

「お前、何で一人だけ暴走しなかったんだ?変鎖は解けているようだったが」

「えー、丞さんは解らないんですかあ?しょうがないですねえ。ティアは風邪の子、元気な子なんですう」

「はあ?」

「一度言っても解らないなんて、哀れですう」

こいつの言っている事は、もう一つ向こうの次元のように感じてならない。

「とにかく、お前のコアは劣化しにくく頑丈だって事でいいんだな?」

「丞さんは、ティアの事をよくわかってるですう。今なら下僕程度には、サンビカ!」

お吟さん、こいつを人間の姿に戻したのは間違いだぞ。

「チェリーはどうなんだ?他の皆よりも変鎖が解けるのが遅かったが」

「チェリーは、一番最後に変鎖を行った子ですう」

「そうなのか?」

「うん、元の姿でいたんだけどモンドと一緒に遊びたかったから、こっちの姿ならもっと楽しめるかなって」

それで、チェリーは助かったという事か。