妖魔03(R)〜星霜〜

「会ったようだな。どこに行くか言ってなかったか?」

「知らねえよ」

傷は治してもらったが、許したわけじゃない。

「本当に知らないんだな?」

「何度も言わせるんじゃねえ。知らねえよ」

「ツンデレじゃあ吟は振り向かないぞー」

「余計な世話だぜ」

「何の縁だかな」

親父は小声で呟いたが、俺には聞こえなかった。

親父は闇へと振り返り、去っていこうとする。

「お前さん、帰るなら港に行けば船が出るぞ」

闇に紛れるギリギリの位置で、親父の声が聞こえてきた。

「何で教える?」

「お前さんにもう少し千鶴の世話を譲ってやる」

親父は闇の中へと消えていった。

親父はレインの事を知っていた。

そして、最後の一言は、『縁』と言ったのだろうか。

親父の代から、何かで繋がっているとでもいうのか?

いや、今は余計な考えは捨て置いた方がいい。

日本に帰ってから、ゆっくり考えればいい話だ。

「じゃあ、俺は小屋に戻るよ」

「ああ、少し待つアル」

「え?」

瞬間的に、お吟さんに押し倒されてしまった。

お吟さんから香しい匂いがしてくる。

「蛍とやるつもりだったアルが、お前のせいで消えたアル」

「親父の変わりに性欲発散の相手をしろという事か?」

「今こそ、父親を越える時アル」

「もっといい場面でその台詞を聞きたいんだがな」

「さあ、パラダイスギンガアル」

お吟さんとの床のスポーツによって、夜中の間に体力を消費してしまった。