「最後に頭をぶち抜いてやる!」

「その前に、私は痛みに鈍いですから、痛みを体験してみてくれませんかね」

彼の名前、『マンダム』を指定します。

それが、本名であっても、コードネームであっても、HNであっても、声を認識しており、範囲内であるならば本人に該当します。

私でしたら、本名は赤城学ですが、アカ・マナフであっても、指定されてしまうということですね。

そして、技を音声入力すれば、使用することが出来ます。

「『アバタール・アバターラ』」

これで完璧でしょう。

「な!なにが!?」

「自分でつけた傷はどうですか?四肢と腹を撃ったんですから、気分は爽快じゃないですかね?」

『アバタール・アバターラ』は能力の一つなんですがね。

自分の受けた傷を全て、相手にぶつけることが出来るわけなんですよ。

自分の傷は治りませんがね。

今ならば、ツルリンパさん二号の体には五個の穴が開いていることでしょう。

「すいませんねえ。英雄と共に死地に行けるとは、喜びもひとしおですよ」

「お前!何をしたあ!?」

撃ってきませんから、今の状態では銃も持てないようです。

「聞こえませんでしたか?ではもう一度説明しましょう。私の傷をあなたにもおすそ分けしてあげたんですよ」

「な!そんな馬鹿な、話!あるか!は、はあ、はあ」

声を荒げるたびに自分の体力を減らしていますが、よほど死地に近づきたいのでしょう。

「私自身も、このコアを手に入れるとは思ってもみませんでしたよ」

「化け物、が」

「おや、鋭い洞察力ですね。でも、あなたも相当な化け物だと思いますよ」

正確に風穴を開けられるのは、真っ当な人には出来ませんしね。

「パパ!パパ!いやや!死んだら、ウチ一人になる!そんなん嫌や!」

「おやおや、胸が弾むような事を言ってもらえるとは思ってもみませんでしたよ。ですが、ここから死地にいっても、私は構わないと思っているんですよ」

摩耶さんなら、一人でも強く生きていくことが出来るんじゃないですかね。

葉桜君とのラブなシーンを見れないのは、残念ですがね。