「げ!赤城、先生」

飛鳥さんは、後ろに一歩ひいてますね。

私の攻撃を避ける準備をしているとは、反射神経の修行を欠かしてないようですね。

飛鳥さんは、一般人から次なる階級に挑戦するのでしょうか?

「おやおや、あなたがそんなにも強くなりたいなんて、思ってもみなかったですよ」

「また分けの解らないこと言って、赤城先生の存在は人畜有害なんだからあまり近づかないで」

手を前に伸ばして、五本の指も綺麗に伸ばしています。

左手の薬指では指輪がはまっているようですね。

連太郎さんとのお付き合いが順調そうで、安心してしまいますよ。

「しかし、あなたとはよく出会いますからね。すでにお互いの糸が絡み合って取れない状態だといってもおかしくないですよ」

「気持ち悪いこと言わないでよ!っていうか、葵さん!何で赤城先生がここにいるのよ!その子がいても今日は会わないって言ったじゃない!」

「お嬢様、誤解です。予測不可能な行動を取るのが外道そのものなのです」

「現に目の前にいるじゃない!葵さんまで私を困らせたいわけ?」

「おやおや、飛鳥さんの思い込みの強さは国を動かしてしまいそうですが、葵さんは無実ですよ」

そう、私はスペシャルイリュージョンを使っただけですからね。

「事をややこしくしてる張本人なんだから赤城先生は黙ってて!」

「黙れと言われれば話したくなるのが人間の性だと思うんですよ。ですから、飛鳥さんとのお喋りに途中下車はないものだと思ってるんです」

「もう、いい!じゃあ、私が消えればいいんでしょ!」

「コラー!飛鳥!言い逃げすな!」

「どいてよ!」

彼女は摩耶さんも修行相手にするようですね。

前に出た摩耶さんを突き飛ばそうとします。

しかし、葵さんを従える程の力を持つ、摩耶さんの身のこなしは飛鳥さんの階級を超えているんですよね。

軽く腕を避けます。

「いいわよ!道が開いたからね!」

飛鳥さんは予想してなかったんですかね。

摩耶さんの粘りは成人男性の私よりも強いんですよね。

ですから、摩耶さんが飛鳥のスカートを持っているわけなんですよ。