妖魔03(R)〜星霜〜

「いつでも元の姿に戻れるとは、驚きですね」

では、封魔コアの意味は一体何だったのでしょう。

封魔コアの事を聞いたときは、グリコのオマケ並の嬉しさがあったんですがね。

「封魔コアは割らなければ久遠は暴走せん事になっておる。じゃが、久遠の怒りや恐怖の感情が一定値以上を示すと魔力が封魔コアの内部許容量を越し、発散が追いつかなくなり封魔コアが割れる仕組みになっているのじゃ」

拳を握り締めながら、唇をかんでいますね。

唇の柔らかさでも確かめているのでしょうか。

「久遠が危険に陥った時に脱出する術じゃと設定しておったのじゃが、危機的状況もなく怒る事も滅多にないじゃろうとずさんな管理とタカを括っておったワラワの責任じゃ」

龍さんは尻餅をついている久遠さんの下へと歩いていきます。

「貴様は、まだ娘を探すというのか?」

「美咲は生きてるんだ。皆が死んだとか言うのがおかしいんだよ!」

「まだ、足りぬか」

久遠さんに馬乗りし、もう一度ビンタを与えます。

「い、いたいよお」

「ワラワやあの御仁が言った言葉を信じられぬというのならまだいい。じゃが、貴様は娘を持つ母親じゃろう?何故、娘の言った事をイジワルと決め付けて信じぬのじゃ?」

「だって、美咲は」

「だってもくそもない!貴様だけが現実から目を離し、死んだ娘を探すという行為で傷つかず逃げておる間に、貴様は何食わぬ顔で娘を傷つけたのじゃ!」

「うう」

「今回は笑えば済まされぬ話ではない。もし、貴様がワラワの作った世界ではない街中で暴走すれば、どれだけの被害が出ておったと思っておる!?貴様一匹のエゴで他人を傷つけるのは止さぬか!」

「う、うえ、ひっく」

「貴様は母親として、妖魔として罪を犯してきた。罪を犯したというのならば反省し、どうすれば償えるかを考えるのが筋じゃ。筋は通さねばならぬ。例え、失意のどん底にいたとしても、いつかは立たなければならぬのじゃ」