「久遠はいつ爆発するか解らない状態なんですよ」

「おや、面白いですね」

手違いが起これば、すぐにでも彼女の変鎖が解けてしまうという事ですか。

「しかし、真実を話して、爆発する事があれば処理をしてもよろしいのですか?」

「現実を直視できない久遠が現実を突きつけられ暴走状態になった場合、封魔コアは適用されない。どちらにしろ、真実を知る事がある以上、赤城先生が傍にいたほうが対応が早くていい」

「おや、お遊戯では木を任されがちな私に、そんな大役が転がり込んでくるとは思いもしませんでしたね」

「妖魔で手が空いているのが赤城先生だけでしたからね」

「私としては死地を迎えるには十分のイベントですね」

大福を食べていたら、いちご大福だったというところでしょうか。

おや、そういえば、最近いちご大福を食べてませんね。

「依頼の報酬ですが」

「いちご大福味の魔草青汁をお願いします」

魔草青汁に新たな味が開発されれば、より楽しい一時を送れますよ。

「赤城先生は変わってますね」

「いちご大福味の魔草青汁は素敵な一品ですよ」

「そんな味を頼むは先生だけですよ」

「いちご大福味を侮ってはいけませんよ。いちごがなければただの甘い世界、そこに酸味が加われば、世界を覆す力があります。それが汁になった時、胃の中に嵐を巻き起こすでしょう」

考えただけでも、夢見る世界が膨れ上がってきますね。

「先生は甘味と酸味を融合させた、魔草青汁を欲しているだけでしょう?」

「洋菓子の甘味も捨てがたいのですが、私は生粋の日本人ですからね。小豆を生かした甘味でお願いしますよ」

これで、死地とは別の新たなる楽しみが生まれましたね。

「しかし、不思議な事があるんですがね」

「何ですか?」

「暴走状態になるという事がわかっているような言い草ですね。母親に死んで欲しいんですか?」

「さてね」

「おやおや、自分で言う割りには心の水面は揺れ動く事はないようですね」

笹原さんの考えがどうであれ、私はいちご大福味の魔草青汁を頂ければ問題ありません。