妖魔03(R)〜星霜〜

「刀を握るのもいいですが、ハンバーグを食べながらの話し合いも捨てがたいものがありますよ」

「何がハンバーグよ!お前も、協力しようとしてるんじゃないわよ!」

「生徒の悩みを解決するのは教師の務めですからね。職務を真っ当する事は、大事だとは思いませんか?」

「だったら、アタイの職務を真っ当するために、死ねえええ!」

押し込む力を強めてきましたね。

刀が私のほうへ近づくくらいの力で押されてきてますよ。

さすが、才能のある両親から生まれた娘は、最高の遺伝子を受け継いでいるみたいです。

過去の彼女よりも、強くなっているみたいですね。

才能の上に修行を行う精神は、敬意を払いたくなりますよ。

「幼少より仕事熱心なのは成長した時が楽しみですね。ですが、喫茶店では刀よりもお箸を持っていた方が男性の気を惹くと思いますよ」

刀で料理を作るというのならば、解らないでもないですがね。

「お前に言われても、何とも思わない!」

角度を変えて打ち込んできますが、激情に任せて打つ方法だと軌跡が解り易いんですよね。

私は打ち込まれた刃を二度、防ぎます

威力は十二分あるといってもいいでしょう。

「おや、そういえば、眼力は使わないんですか?」

過去に一度、私の能力を封殺した事がありましたね。

私としては、存分に使っていただいたほうが面白みがあっていいんですがね。

「お前なんか、斬るだけで十分!」

「意識に革命を起こしましたか。そんなあなたに身体の芯がゾクゾクしますよ」

「瑠璃子」

「オガ!」

私に情熱を向けていたせいでしょうか。

後ろにいた野川さんに気付かず、手刀を首筋に打ち込まれていましたね。

「まだまだ修行が足りないわね」

腹話術人形のように腕に抱かれています。

抱えている腕を動かせば、口と目が開きそうですね。

「後日、連絡するわよ」

そのまま、子鉄さんは喫茶店を出て行ってしまいましたね。