妖魔03(R)〜星霜〜

陶器の大きさは、1.5リットルのペットボトルよりも少し小さいくらいか。

形は活花に使いそうな感じだ。

「お兄さん、酒はやれるかい?」

「弱くないと思うぜ」

以前、酒を飲んだ時にも意識は保っていられたし、気分も悪くはならなかった。

「そうかい、安心したよ」

笑みを浮かべながら、小さな木製のコップを出した。

俺はカメリアの隣に座る。

「飲むんだな」

「意外かい?」

「周りで酒を飲むような奴がいなかったからな、新鮮味があるだけだよ」

「ふふ、ゆっくり楽しもうか」

静かな空気の中、少しずつ流れる音が耳に届く。

透明に黄色を足した色をしているところ、リンゴを使っているのかもしれない。

お互いのコップの中に酒が入ると、持ち上げる。

「「乾杯」」

グラスのような音はならないが、コップを軽くぶつける事で始まりの合図を告げた。

酒を口に含んでみると、おいしいとは感じなかった。

予想通り、リンゴを使ってはいるようだが、甘く感じない。

現在のカクテルなどの甘さはないのだ。

苦味と酸味と果実の味で占められている。

「お兄さんには、早かったかな?」

「嫌いじゃないさ」

「無理はするんじゃないよ」

カメリアに心配されるのも嫌ではない。

ただ、少し情けないと思うくらいだ。

でも、無理してピッチを上げて潰れるほうが、情けなさがアップする。

今のペースを守るのがいいだろう。

「お兄さんは、この何もない村に何で来たんだい?」

先に静寂を裂いたのはカメリアだった。