妖魔03(R)〜星霜〜

「お兄さん、後で付き合って欲しいんだけど」

「いいよ」

カメリアからの誘いならば、断るわけにもいかない。

ご馳走までしてもらっているんだからな。

「ティアもティアも」

「お前は貰えなかったはずの晩飯を貰ったんだから、家に帰るんだ」

「やっぱり、丞さんは唯一無二の鬼畜王ですう」

「ねーんねんころーりのアッパー!」

「ペパ!」

熟睡させるための一撃必殺を放つ。

後ろへ吹っ飛ぶと、床を転がって壁にぶつかった。

その後、寝息が聞こえてきたので、今日はいい夢を見ているに違いない。

「さてと、残りの分を食うか」

カメリアの用事が気になったので、晩飯をさくっと終わらせる。

数分後には、肉の皿もご飯と汁物の椀も全てが空になった。

「満足満足」

「そりゃ、よござんした」

カメリアも食べ終わっているので、食器の後片付けを行っていく。

水道がないので、桶に汲んだ井戸水を扱いながら食器を洗っているようだ。

灰色の粉を使っているが、灰だろうか?

何かしらの工夫はされているようだな。

チェリーはご飯を食べ終わったせいか、うとうとし始めていた。

早すぎるような気もするが、今日は疲れているのかもしれないな。

「ふう、しょうがないねえ」

食器洗いを終えたカメリアは、チェリーを寝室へと運ぶ。

その間に、床に転がっているティアを抱えて家へと運んでいく。

ティアの家のベッドに寝かせた後に、カメリアの家に戻った。

カメリアは一人、食卓の椅子に座っている。

机の上には、飲み物が入ってそうな陶器が置かれていた。

「帰ったのかと思ったよ」

「はは、俺の脳はまだまだ正常に動いてるよ」

今の一時で記憶喪失になったら、ポンコツな自分を恨むぞ。