妖魔03(R)〜星霜〜

「で、夜になったわけだ」

誰も迎えに来る気配がない。

きっとチェリーもモンドも安心してしまって、俺の事なんか忘れてるんだ。

体力が回復したものの、心の決心がつかないぞ。

最終奥義も用意しているが、能力行使は危険を伴う。

「はあ」

空を眺めようにも葉で隠れていて、星の美しさを視覚に映し出すことが出来ない。

「暗いなあ」

梟のなく声が静かな世界に鳴り響く。

「やるしかないのか」

「何をさ?」

「え?」

隣の枝を見ると、立ったカメリアの姿があった。

「カメリア、何やってんだよ?」

「お兄さんがいつまで経っても降りてこないから、様子を見に来たんさ」

「勇敢だな」

気配なく登ってきたところ、時間をかけなかったんだろう。

「ほんと、お兄さんって情けないねえ」

「全くだ、面目ねえ」

「いいのいいの、元はといえばモンドが原因なんでしょ」

「いや、原因は俺さ」

「へえ」

カメリアは楽しげな顔で俺はを見ている。

「あいつが躍起になって大木に登り始めたのは俺が来てからだよ。チェリーもモンドはいつも木登りなんかしないと言ってたからな」

「自覚あるのね、偉い偉い」

「はは、カメリアからしちゃ俺も子供か」

「無謀なところはね。でも、お兄さんはチェリーやモンドのために色々としてくれてるもの、感謝してるわ」

「そうだといいけどな」

その時の流れで決めているようなモノだから、偉いとはいえない。

今もカメリアのほうが木登りが上手かったりするわけで、カメリアを呼んでいればすぐに解決していただろう。