明後日は2ヶ月記念日。


あれからの私たちは、週に1回のペースで逢っていた。世間でいう「デート」と言うもの。
彼の休みは不定期のため、なかなか休みが合わないので、遠くに旅行に行ったことがまだない。
私たちのデートはいつも映画館で過ごしたり、喫茶店でゆっくりする感じだった。

嫌な訳じゃない。


でも‥
たまには、遠くに出かけたり、違う場所にも行ってみたいなぁ〜なんて思っていた。
そんなある日、聡から思いもしない言葉を聞いた。




『愛〜、明後日って何の日か知ってる?』


『明後日?知ってるよ!!私たちが付き合って2ヶ月記念日でしょ?
それがどうしたの?』


『あのさ‥その日、休みとったから‥明日アパートに来て料理作ってくれないかな?』

電話からでも伝わってくる。
聡は今、凄く緊張しているって事が。


『それはつまり‥泊まるって事‥だよね‥?』


『イヤ、料理作ってくれるだけでいい。帰りは俺が家まで送るし。
それで次の日の朝、また愛の家に迎えに行く。』


『でも‥それだと聡が大変じゃん。』


『俺は、大丈夫だから。その代わり、おばさんの許可が下りないとダメなんだろ?
そっちは愛に任せるしかないから頼んだぞ!!』


『分かった。お母さんなら、きっと分かってくれるよ。
聡、何が食べたい??』


『へっ??』


『だから、明日の夕飯のメニューだよ。私は、遊びに行くわけじゃないんだから!!』


あ〜。
そう言って聡は笑った。

『そうだな〜。肉じゃが‥でも作ってもらおうかな(笑)』


『了解。私、料理だけは自信あるんだ!!』

私たちはその後も、いろいろな話をした。毎日電話やメールをしているのに、話は尽きなかった。

結局その日は、2時間くらい話し込んでいた。