僕を見上げていた麻生は、ほんの少し首を傾けた。 「何に?」 「え?」 「関わるって、何にですか?」 少し考えて、僕も首を傾げる。 「青春に?」 僕の疑問形の答えに、麻生は一瞬きょとんとしたあと、口元をにやりと歪ませた。 「青春のせの字も知らなそうな、覇気のない芹澤先生には言われたくないです」 僕は黙って彼女の頭を軽く叩いた。 どこか悪巧みをするような、麻生のにやりとした表情が、頭のなかで由紀に重なる。