麻生はこくり、と頷いた。

「写真なら、見たことがあります。中学生の由紀姉なら」

「中学生?」

「はい、セーラー服を着ていて」

「感想は?」

僕の言葉に、麻生は戸惑った表情を浮かべる。

「感想って……綺麗な女の子だと思いました」

「綺麗な……」

「はい。自分の姉とは、思えないくらい」

僕は麻生の顔をじっくり見た。

似ていないわけではない。決して。

むしろ似ている、と言ってあげたかった。

しかしそれを、由紀は喜ぶだろうか。もし彼女が、生きていたのなら。

僕にはわからなかった。