205X年5月――。

「起きなさい!遅刻するよ!」
お母さんに起こされた。
「うーん。もう朝?」
僕はねぼけていた。
「あと10分で遅刻よ!」目覚まし時計を見ると八時を回っていた。
「ヤバイ…。」
いつもなら早く起きるのに。それに構わず僕は、急いで学校へ登校しました。
無事に遅刻しないで登校しました。

「危なかったな。」
「あっ。翔太君。」
さっき話かけて来たのは佐上 翔太(さがみ しょうた)。同級生。
「おかしいよな。ギリギリで学校に来るなんてさ。」「そうだね。」
「何かあったの?」
この人は、山谷 宏(やまがい ひろし)。同級生。「こいつ、初めて遅刻したんだ。」
「何度も言わなくていいよ。」
「誰だってあるよ。失敗。」
僕の友達は優しい人ばかり。
でもそんな優しい友達とは裏に、僕には忘れない最悪な思い出があるのです。
それは、二年前―――。

体育の授業で、ソフトボールだったとき…。
僕にとっては初めてのソフトボールだったけど、先生は容赦なく積極的に試合ばかりやって来ました。
練習の時間など一切なく、僕は思い通りな結果だったのです。
そして、授業が終わった頃。
「なんでエラーばかりやってんだよ!お前のせいで負けたんだからな!」
「だって…僕は…。」
「言い訳なんか聞くか!」