「だから、渡先生に臨時コーチしてほしいんです!」



「え…?」







俺が、

桃北水泳部の臨時コーチ!?













「もちろん謝礼はいたしますので、もしご都合が良ければ…」




弱々しく斉藤が後を続けた。




…この様子だと、莉央が斉藤に頼んで、強引に押し切ったっぽく見えるな。






「私もまだ引退セレモニーやってないし、最後に渡先生に教えてもらいたいんです!」




莉央はやる気満々のようだ。