何かあったのか? キョロキョロとプールを見回してみる。 だがその学生は、俺を通り越して、その後ろに視線を向けていたようだった。 振り返ると… 斉藤と莉央がいた。 「渡先生、お久しぶりです。」 俺と目が合ったジャージ姿の斉藤は、すぐさま低姿勢で挨拶した。 制服姿の莉央は、その隣で微笑んでいる。 「おう。どうしたんだ?…莉央も。」