でもお礼を言われて悲しくなるやつはいない。 当然嬉しい気持ちも湧き上がってくる。 うっかりニヤけそうだった顔をふざけた感じの笑みに変えて。 「なーんだよ、改まっちゃって。先生なんだから、生徒の世話するの、当たり前だろ?」 俺は照れ隠しで莉央の頭を軽くくしゃくしゃとなでた。 それをやって少し後悔した。