けれど、兵庫は元気がなかった。 隣に座っても、麗のほうへ向いてももらえない。 でも、ぼそりと 「麗、カイラに気に入られたみたいだぞ。 帰るころに、迎えに来るそうだ」 って、ソッコウでお邪魔モードに入ってるんだ。 「逃げないと」 つぶやくと、兵庫は驚いたように麗を見た。 「逃げ、ちゃうんだ」 「助けて、タカちゃん。 麗は渡さん。 とか、あいつに言って。 嘘でいいから」 兵庫の目が、戸惑って、それから笑った。 「何でオレが。 カイラの方が全然いい男だろ?」