―――夏の始まりは、蝉の声によってもたらされた。
折角梅雨が終わってイラつきが解消されたと思ったら、
今度はうるさすぎて眠れやしない。
『―――アァ!』
俺の下に居た女が、快感に顔を歪めた。
その瞬間、自分が萎えていくのを感じる。
…あーあ、折角イキそうだったのに…。
虚しくなりながら、腰を振り続けた。
あの日から、俺は全てを振り払うように女を抱いている。
少しでも気を抜けば、千里を自分のものにしてしまいそうになる。
またあんなことがないように、俺に縛り付けてしまいそうになる。
だけどそんなことをしたら、隼人さんと変わらなくなる。
俺も同じように、閉じ込めたくなってしまう…。
それじゃダメだってわかってるから…。
お前を思い出しながら、別の女を抱くんだ。
“あたしは、アンタなんか愛してないよ”
段々段々、自分に言われたように聞こえてくる。
ただそれが怖くて、何も考えないように腰を振り続けた。
『―――ャ!!』
うわー、最悪。
何でこんな、汚い顔出来るんだろう。
てゆーか俺も、こんなの汚い顔のヤツ抱いてるから、何も言えないんだけど。
どーでも良いけど、暑すぎる…。
クーラー壊れてんじゃねぇの、このホテル?
折角梅雨が終わってイラつきが解消されたと思ったら、
今度はうるさすぎて眠れやしない。
『―――アァ!』
俺の下に居た女が、快感に顔を歪めた。
その瞬間、自分が萎えていくのを感じる。
…あーあ、折角イキそうだったのに…。
虚しくなりながら、腰を振り続けた。
あの日から、俺は全てを振り払うように女を抱いている。
少しでも気を抜けば、千里を自分のものにしてしまいそうになる。
またあんなことがないように、俺に縛り付けてしまいそうになる。
だけどそんなことをしたら、隼人さんと変わらなくなる。
俺も同じように、閉じ込めたくなってしまう…。
それじゃダメだってわかってるから…。
お前を思い出しながら、別の女を抱くんだ。
“あたしは、アンタなんか愛してないよ”
段々段々、自分に言われたように聞こえてくる。
ただそれが怖くて、何も考えないように腰を振り続けた。
『―――ャ!!』
うわー、最悪。
何でこんな、汚い顔出来るんだろう。
てゆーか俺も、こんなの汚い顔のヤツ抱いてるから、何も言えないんだけど。
どーでも良いけど、暑すぎる…。
クーラー壊れてんじゃねぇの、このホテル?