あんな男の、どこがよかったのか。と
だけど、そう思った瞬間。
止みかけていた私の雨が、またいきよいよく豪雨のように降り注ぐ。
__日向の、私に向けてくれる笑顔が好きでした
___力強く、私を抱きしめてくれる日向が好きでした
____私を必要としてくれた日向が、大好きでした
その時・・!!
「ーー雅っ」
_______私の名を呼ぶ日向の声が、これでもかってくらいに、大好きでした……
「ふっ、うぅ…っ…」
私は唇をかみしめ、声が出ないように押し殺す。
そして後ろを振り返っちゃダメだと、自分に言い聞かせながら走り続ける。
「雅っっ」
そう言われた瞬間、きつく、きつく私の腕を掴まれる。
まだ、乱れたままの服装の日向が…
「いやっ…あーー。うぅ…はなしっ…」
見たくないよ。
そんな日向、見たくない…。


