最初から別れたくなんか、全然ないのにね。 『じゃ、さよなら』 そう、言って車を降りようとドアに手を掛ける。 「待って!!!!!」 いつの間にか手はドアから離れ…あたしは彼の腕の中に 手を引かれて抱き寄せられたんだ。 息が出来なくなる位、思いきり抱きしめられて、アキヒロの腕の力が強くなるたびに涙が流れた。 「行かないで…一緒にいたい」 『……クミも…』 すると、彼はあたしの体を離して手を握り…また無言で車を発進させた