50メートル走るのを、十秒以上かかるあたしは、アキヒロに簡単に追いつかれた。 『嫌だ!!放して!死にたいの!!!もう、生きてくのは嫌なの!!もう、ほっといて!放してっ!!!!!!』 体全体を捩らせて、必死に手を振り解こうとした。 「分かった。分かったから。大丈夫だから。な?」 アキヒロは、あたしの手を放して体を思いっきり引き寄せる。 いつの間にか、腕の中にスッポリ収まってた。 いつの間にか…あたしは、落ち着きを取り戻してた。 "あたしの居場所…" そんな気がして、抵抗を止めた。