「許しを出すのが余だとは言え、許すに至るまでを検討するのは余ではなく、この森だ。
貴様はライアの保護なしで、次に再び貴様を此処に呼ぶまで生き抜いてみせよ」

「わかりました」




再びメイスフォールに導かれ王の前からリンの姿が消えると梟特有の無音に限りなく近い羽の音を耳にすると、王はゆるく目を閉じ、そしてゆっくりと開いた。


「ライア」




先程のリンに向けたものとは違う、呆れの混ざった、ため息にも近い親しみのある声音。

すぐ近くの木陰から気まずそうに出て来た少女は苦笑いを浮かべた。



「気になっちゃたの。お話勝手に聞いてごめんね?」


泉のすぐ近くまで来てかわいらしく小首を傾げる。
月光にその白い肌が透けるように照らされた。