苦しさや痛みを感じないのが不思議だ。



むしろこれから自分が此処で朽ちていくんだと考えると、虚ろな意識の中にも気持ちの良い安堵感を感じた。












…―もう、あんなことしなくて良いんだ―…










『あいつら』に捕まらずにいれば、僕は生涯今以上の罪の意識を背負わなくて良いんだと思えば、これからこの大木の肥やしとなるのは僕にとっては素晴らしい未来だ。




霞む視界に、僕はゆっくりと目を閉じる。

ひどく、眠かった。

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