仕方なかったんだ。と、何処かで弁明する声が聞こえる。








結局、僕はちっぽけな羽付きでしかなくて、
僕自身を守る以外に、出来る事なんて限られていたから。

















ザ…………ッ




泉だった所の岩の向こうから現れたのは、ついさっきまで森だったこの地の主だった。






「ライアは………無事か…?」


静かに、その痩身に似合わぬ低音を響かせる。

僕は、それをゆっくり咀嚼し、理解してから頷く。
今は寝てるけど、と補足するとグラジオラスは少しホッとしたようにため息をついた。










「この地は、ライアにとって幸せだっただろうか……」




少なくとも、来る前よりは幸せだっただろう。



「ライアは、この地で触れ合う者の心をことごとく変えてきた」




ぽつり、ぽつりと、彼は続ける。