僕の感覚器官は、本来の責務を放棄したようで、 熱さも、痛みも感じない。 この腕の中にある小さな愛しさだけが全てだった。 黒でも、白でもないような、 赤でも、黄色でもないような、 僕はひたすら、抱きしめている事しか出来なかった。