「私めも彼の者にそう問うた事がございます」



王が微かに眉を潜める気配を感じて、この方も変わってきている。と感じながらメイスフォールは続ける。
動じる事を知らぬと言われ続けたはずの、ライアが絡むと急に親しみやすくなるこの敬愛すべき者に。




「あの者は『それは貴方達に失礼だ』と笑っておりました。
『自分はヒトから外れた者ではあっても貴方達のような存在にはなれない。』と」

「…」

「先程も申し上げましたが、真っ直ぐな青年です。
生まれながらにして愛される事を知らず、それでも歪み切ることない強い根を持っております。
それでいて我等に接する態度には敬意が見える」



物腰穏やかに、王の拒否的な態度をほぐすように言う。