その言葉に、胸が熱くなる。
泣きそうな程の嬉しさを、精一杯の笑顔にして、笑う。


「ありがとう」





そんな夜を経て、リンとアナイトセタの6匹はメイスフォールの背に乗り、日が昇ったばかりの空にいた。

あまりにも猿達の声が甲高いため、リンが申し訳なさそうにメイスフォールに声をかける。

「耳、大丈夫?」
「何、私は受容出来る音域が人や他のこの森の住人達より広い。どうってことないさ」

久しぶりに聞くその好々爺のような愉快げな声はより『帰って来た』と言う実感を持たせた。






















「リンっっ!」


着くなり聞こえた鈴のような声に、僕の頬が思わず綻ぶ。




「おかえりなさいっリンっ」

「ただいま、ライア」



一目で彼女がリンにとっての大切な者である事がわかるようなリンの笑顔に、アキは内心で安堵のため息をついた。