ズクリ、と
唐突に胸が痛む。

なんの脈絡もなく、である。

しかし、何となくわかるのだ。


「リンが…」

そう、何となく。
でも確実に。


「リンが泣いてる…」

たった一人、部屋の中から空を見上げる。

「私も痛いよ…」

繋がっているかのように、その瞳から一筋の涙が伝った。


「早く会いたい」



何故こんなにも焦がれるのか、自分でもわからない。
しかし、その幼い胸の奥、体の芯が、

確かに、鈍く痛むのだ。