「流れ星だ!」
それは風のように夜空を駆け抜けた。
あっと言う間で願い事を言うのも忘れていた楓の隣で彼は目を閉じていた。
「ねえイツキさん。イツキさんは流れ星に何を祈ったの?」
「…さあな」
意地悪く微笑む彼に、楓は膨れっ面をしてみせる。
「少しぐらい教えてくださいよ。どんな願い事?」
「もう叶ってる」
「えっ?」
「だから俺は流れ星に感謝してたんだ」
「感謝って、流れ星に?」
「ああ。おかげで俺は今幸せを手に入れた」
「…ねえ。幸せってどんな?」
「あんただよ」
ふいに、唇に優しいキスが舞い降りた。
「好きだ、楓」
完

